当院で採用しております手技の説明となっています。

SJF (Synovial Joints Facilitation)とは関節内運動学(Arthrokinematics)に基づく関節内運動及び関節の潤滑機構に基づく接近(close)技術を用いて、Mennell の関節機能障害(Joint Dysfunction)を治療し、自動・他動運動における関節の動きを、量的・質的に改善する治療的運動(Therapeutic Exercise)技術である。 (by 宇都宮初夫)

となっています。

(SJF関節ファシリテーション 第2版より抜粋)

一言に関節内運動治療といっても、関節の内側を治療するといった話だけではありません。上記に記載した関節機能障害(Joint Dysfunction)のDysfunctionを翻訳すれば「異常」「不全」「障害」「困難」といった意味になります。この関節機能障害の同義語である関節内運動機能障害intra-articular movement dysfunction(IMD)の治療手段としてSJFを行うことでその症候が軽減・消失することが起こります。代表として挙げられる症候としては

●痛み

●しびれ、冷感、耳鳴り、かすみ目

理学療法の治療手段=物理療法と治療的運動より抜粋

などが挙げられます。また、筋肉の収縮が行い難い、関節の動きが乏しい、筋肉が硬くなっている、感覚がいつもと違う、腫れや発赤が出ているなどの症状も、SJFを行うことで軽減されることが確認されています。しかしこれは、上記の症状の原因が関節内運動機能障害(IMD)だったということがSJFを行って初めてわかるといった結果論でしかありません。

  左の図のように、上位・下位運動ニューロンからの症候はSJFでは解決することはできません。これらを治していくには適切な病期に対して適切な手段と方法を判断しなければならないからです。「肩が動かないから肩を動かす」のではなく、「なぜ肩が動かないのか?」を検査し、適切な対処を行って行きます。

このため、残念ながら全ての人がSJFを行うことで良くなることはありません。しかし、SJFを行い現在の状況をご説明し、今後どうしていくべきかの判断材料はお渡しできるかと考えています。